国益とマニフェストとどちらが優先されるべきなのか、このところ“政権を握った”鳩山民主党の動向が気になります。まだ移行途上で9月にならないと本格的な政治運営は始まらないわけですが、20年までに排出するCO2を25%減らす、とブチあげています。「マニフェストでうたっているからそれを実行する」というわけです。政権公約は守って貰わないと困りますが、公約という言葉をマニフェストなどと分かりにくくしているのは、以前から「公約は守られないもの」と人々が考えているので、目先を変えたのでしょう。
マニフェストと言っても、公約といってもそれは「選挙に勝つため」のお題目で、誰だってそれが全部実現するなどとは考えていません。ジジもその1人で民主党の言う「1995年に比べて25%削減」など、とても出来るものではないし、排ガス削減では世界のトップを行く日本が、さらにそれを加速させなければならないわけです。
温室効果だ、地球温暖化だ、といっていますが、1700年代から1800年代にかけての小氷河期を基準に「氷が減った」と騒いでいる気もします。地球の、宇宙のサイクルかも知れません。オゾンにしても、フロンガスにしても、あれほど大騒ぎしたのに今では「特に問題ない」と秘かに言われ、マスコミも黙っています。温室効果ガスの問題も学者によっては問題視していない人もいます。
「日本が率先して世界をリードする」など、絵空事です。強行すれば日本経済がおかしくなるばかりか、無闇とCO2を排出している国が「先進国に比べて、もっとCO2を出せる権利がある」などと言い、日本は排出権買入などという、地球環境には何の役にも立たないことに、大金を注ぎ込むことになるのです。排出権を売買する会社までアメリカにはあります。原油の空売りと同じで、先物取引や妙な権利の売買が横行する限り、真っ当な世界経済など望めないでしょう。鳩山さんが世界をリードしたいのなら、原油の先物取引だけでも止めるように働きかければ、ずっと経済は安定すると思いますよ。
考えなくてもすぐ分かるのは、排出権を買ったところで、環境を良くするわけではないのです。中国などは自ら「世界の経済大国」と陰では言いながら、排出権などになると「発展途上国」と言いつくろいます。タバコでも鯨でも自分の都合で他国に文句を言うアメリカは、京都議定書などハナも引っかけませんでした。
写真:ギリシャ・スペッツェス島。山火事あとの入り江と標識
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