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何かと不穏な時代に大先輩からの「おい、なんだい!」と、難題山積みの熱きメッセージ、まあSSERの社説のようなものです。

「ごね得と国益」

群馬県の吾妻川に予定されていた八ッ場(やんば)ダムの本体工事が鳩山新政権によって急遽、中止となりました。50年以上も前に計画され、賛成だ、反対だ、の小競り合いを続けながら、計画は少しずつ進みJR 吾妻線や国道、県道の付け替え工事は80%ほど出来上がっています。

草津温泉の方に片足を置いて暮らしているので、八ッ場ダムはすぐ近くですが、遅々として進まなかった道路工事は去年の夏頃から急ピッチで進んで来ました。嗅覚鋭い国交相の役人さんが民主党政権を予知したのかも知れません。

奇妙なのはダム本体の建設中止が言われ始めると、それまで頑強に移転に反対してきた人たちが、どうしたわけか「移転する。承知のハンコを捺す。」となったことです。とにかく移転すれば莫大なお金が貰えます。どうして山村のあばら屋に、それほどの価値があるのか分かりません。

「土地は自分のものではない。小屋のような家を建てていただけだ。それが移転を承知して貰った補償金で、中之条に土地を買い、家を建てまだ余ったカネを持っている。」

「民主党政権になって、次々と移転を承認する人が出てきた。移転の補償金など今まで年間予算が余っていたが、今は足りない。移転希望者がハンコを持って並んでいる。」

近隣のダムには関係ない人たちからはこんな話を茶飲み話にしています。

そういわれてみると、移転で肥え太った人は少なくありません。近くの町役場に勤務する1人は、ダムに沈む場所へ子供の頃に養子に行ったそうです。養父母が亡くなり別の町へと移住し、役場に勤務しました。もうダムに沈む土地とは無関係な生活です。

補償金をゴッポリ貰い、温泉町に広い土地を買い、大きな家を建てています。「20歳代の役場の給料でとても無理だよ。ああいう移転肥りは沢山いるよ。」と噂です。サッサと移転して旨くいったのでしょう。

ゴネて補償金をつり上げようとした人は、本体工事が中止になればゴネ得どころではありません。貰うものを早いとこもらおうと、急遽、ダム建設賛成派に回った、という話しも聞きます。このままでは補償金の取り損ないです。なにもこういう話は八ッ場ダムだけではないでしょう。

移転補償金で肥ろうが、金を残そうがジジにとっては関係ないことです。それより、日本航空が増資したときに香港の得体の知れないファンドに掻き回され、今の酷い状態を招く一因となったことの方が重大です。日本国民の税金を突っ込んで育てたJALは、強欲な組合などのストライキ、国内に無闇と増えたローカル空港へ定期便を飛ばすことを強要されたりで、すっかり体力を失っています。また、安易な合併や増資などを行えば、ハゲタカの餌食でしょう。

今はストップしていますが、水資源公団が民営化されたときには、英国、中国のハゲタカ・ファンドが株を20%ほど持ちました。日本の水を支配しようという魂胆です。株の買い増しに政府のストップが掛かり、諦めて撤退しましたが、気付かなければ日本の水のあらかたは、ハゲタカ・ファンドが支配することになり、自分の国土から流れ出る水を、日本国民が買わなければならない可能性さえあったのです。特許もアメリカの小狡い会社が何でも買い集め、侵害訴訟をアメリカで起こし、陪審制度を悪用し、ナショナリズムで勝ちを狙います。

国内の道路やダム工事で移転に伴うゴネ屋さんがいくら懐を肥やそうが、その金は国内を巡ります。国家的損失ではありません。しかし、日航株や水資源は国家的損失につながります。労働組合も、給料上げろ、待遇改善しろ、ばかりでなくこの辺りにも目を向けるべきでしょう。

グローバル経済だ、などとほざくのなら、お人好しで無防備な日本を根こそぎぶんだくろうと狙う、世界のワルを国を挙げてもっと研究して欲しいものです。友愛などと言う言葉が何となく理解できるのは、日本だけでしょう。鳩山首相はモデルをやったり、踊って遊ぶ時ではないのです。

写真は八ッ場(やんば)ダム

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