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何かと不穏な時代に大先輩からの「おい、なんだい!」と、難題山積みの熱きメッセージ、まあSSERの社説のようなものです。

 

「言っているモノ」

四国の旅と言えばお遍路さんに代表されますが「坂の上の雲」や「坂本龍馬」などがドラマ化されると聞いたので、両方の舞台の一部でも見ておこうと、四国を巡っています。

S S E R の山田徹さんに電話したら、松山へ来い、と言うので京都を見たあと、鳴門海峡を経て松山へ入ったのです。そこで2晩に渡って盛り上がり、かなり疲れてから龍馬脱藩の道を高知へと走りました。早速、一杯となるわけです。

松山で泊まったビジネスホテルは「思ったよりいい部屋で良かったよ」というと、山田さんはすかさず言いました。

「あのホテルは初めて泊まるといい部屋なのだそうですよ。2度目になると部屋は悪くなるようです。そんな噂です」

「そんなことないだろう。高知も2泊予約したよ」

「いや、噂ですからね」

そんなわけで高知に来てホテルに入って仰天です。山田さんの言うとおり、部屋は明らかに格下です。朝になってブラインドを開けてみたら、目の前は壁でした。部屋も狭いしこれはどうも気に入りません。

「部屋を替えてもらいましょう。外国じゃすぐ替えてくれるから、日本だって大丈夫でしょう」とババが言います。そこで朝のうちにフロントへ出向きました。

「松山の同系列のホテルと同じ料金だけど、部屋が良くないよ。目の前が壁じゃ連泊むきとはいえないから、替えてくれない」

部屋はない、とつれない返事です。

「松山で泊まったとき、友人が言っていたことは本当なんだ」

「えっ、どういうことですか」

「初めて泊まる客はいい部屋。2度目からは格が落ちると噂されていると松山で聞いていたけど、本当なんだ。いいよ。部屋がないなら。3度目に泊まらなけりゃいいわけだから」

ちょっと嫌みですが前が壁では面白くないのでこのくらいは許してもらえるでしょう。

部屋に戻ってしばらくしたら電話が鳴りました。

「キャンセルが出たのでお部屋を替えられます」

とまあ、そんなわけで外の見える部屋へと移れました。モノは言ってみる価値があります。日本人はとかく、こういうことには遠慮しすぎですが、喧嘩を売るわけではないので、かまわないでしょう。山田さんに首尾を話したら、なんだかムニャムニャ言っていたので、本当に2泊目から格落ちの部屋という話は酔っ払いの即興だったのかも知れません。

結果良し、と言うこともあるわけです。

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