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何かと不穏な時代に大先輩からの「おい、なんだい!」と、難題山積みの熱きメッセージ、まあSSERの社説のようなものです。

 

 

「権力抗争の行末。」

驚く事態はもう慣れっこで、驚くには値しないし、呆れるのも度が過ぎて刺激を受けるはずの脳が硬化してしまったのでしょうか。民主党代表選を控えて菅直人首相を支持するといっていた鳩山由紀夫前総理が、ころりと小沢支持に回っています。ところがいたたまれないような気持ちにはならず「こんなものなのかな」とあきらめの方が強いのです。

振り返ってみれば鳩山さんは首相の当時も、ころころと発言内容が変わり、いったいどこが真意なのか多くの人には分かりませんでした。

首相を退き、言った言葉が「次の衆院選には出ない」だったり、「首相を務めたものがいろいろ言うと支障もあろう」などと「いいお話」でした。その通りに行くのかな、と思っていたらやはり、大金持ちに群がる民主党議員を軽井沢の別荘に集め、小沢さんまで顔を出して、なんだか出陣前夜のような賑わいでした。

一方、菅さんの方は急速な円高や株安に対処するどころか、もう非常事態だというのに「マーケットの動きを慎重に見守る」というばかりで、無策のまま放置しています。野田金融相にしてからが、具体的な話しはしないのですから、日本沈没に手を貸しているようなものです。民主党の代表選は国内の問題ですが、円高・株安は国内だけでなく国際的な日本の立場そのものを危うくするのです。

権力抗争は大好きだが、国家の運営やそれに対する政策はほったらかしで、菅・小沢両派とも、新人議員の勉強会などをやって票集めです。新人議員にものを言うなと命じたのは小沢さんです。どちらが勝つか「決戦だ」などと騒いでいる民主党議員のコメントを読むと、どうにも絶望感ばかりです。菅さんも4年は解散しない、などと言って議席が心配な議員達に媚びを売る始末です。

党内抗争をやっている時ではないことくらい分かっているはずなのですが、代表選に夢中で国家を放り出してしまっているのが今の民主党でしょう。野党暮らしで批判だけに生きてきた人の弱さ、酷さが明確になってきています。自民党の方はどうしているのでしょう。政権党から滑り落ちたと言っても、様々な非常時に対するノウハウを心えている人もいるはずです。ここは大義(鳩山さんの言う大義とは違います)のために、適切なアドバイズなり協力なりをして、日本国が奈落へ落ちるのを防止するときでしょう。

マスコミも政権抗争ばかりを報じず、今の日本が置かれた状況をどうするのか、どう打開していくのか、具体的なことを菅さん、小沢さん、閣僚、自民党の経済に詳しい人たちに問いかけるときでしょう。何のための政権交代か、色あせたマニフェストやらは、どうせ実行できないのだから引き下ろし、日本の再建に向かう大同団結が必要なときでしょう。民主党の代表選は世界経済のうねりの中で、コップの中の嵐にもなりません。塵芥となった日本円が巨大な世界経済の中で浮遊するのもこのままでは時間の問題です。おもしろおかしく権力闘争ばかり報ずるマスコミは、どこを見ているのでしょうか。怒っている人は多いのですが、そういう声に耳を傾ける政治家はいなくなりました。

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