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<<07.10.03 (行程23日目)

2007年10月04日 行程24日目
ストラスブール -> パリ
走行距離:510km 走行時間:9時間

おー、ついに最終日だ。思えばいろんなことがあったねえ、毎日毎日ハプニングだらけで、スリリングで、それはもう楽しかった。あっという間の24日間。誰かが「夢なら醒めないで欲しい」って。中国ではタクラマカン砂漠・さまよえる湖ロプノールでは、何度も何度も転倒して苦しみ、挙句その夜は緊急ビバークだってのに、満天の星空での日中歌合戦で盛り上がること!!楽しかったねえ。カザフスタンでは氷点下7.5度を経験、ロシアは道に迷い夜中に渡し舟でヴォルガ川を渡り、モスクワで届いた訃報もあったねえ。そして憧れのサンクトペテルブルグ、超快適快速移動のバルト三国、光と影を湛えたポーランド、BMWのふるさとドイツ、そして香り立つ大地を駆け抜けてやはりどこよりも美しい最後の国フランス!!あー。

なんて、そんな旅の情緒に耽っている場合ではないのです。急遽取ったストラスブールのホテルでチェックアウト。宿泊代を貰っていないから払えって・・・昨日チェックインの時に先に払って!って言ったから払ったじゃん。最終日なので怒らない!と思っていたのでがまん!また出発前に、撮影チームから一人一人のインタビュー撮るからって聞いていたので、急がないんだけどね・・・支払った控えは、昨夜整理してしまって、えーん!すぐに出るところにないんだよなー!徐々に腹が立ってきた。グググっと我慢して・・・荷物の底から取り出して「ほらね。支払っているでしょ!!」「ほんとだね。」ってなことで一件落着!こんな闘いも毎日だったよなーってしみじみ!!

撮影のためにストラスブールの街に2時間近くいたんだ。ストラスブールの語源はドイツ語でストラスブルグ「街道の街」。古くから交通の要衝として栄え、ライン川には、フランス国内最大の河川港がある。そしてそんな交通の便の良さから商工業が盛ん。そのストラスブールで、石原さんははじめておじさんライダーに「一人づつの顔のアップを撮りたいので・・・」リクエスト!都心にあるカテドラル(ノートルダム大聖堂)精巧な天文時計が有名な大聖堂とアルザスの伝統家屋が密集したプチットを何度も回って撮影。ほんとに美しく素晴らしい街だ。だれかも「老後はこの町で暮らしたい」って、もうすぐじゃないの老後!スイマセン。

午前10時過ぎ、いよいよパリへ向かうオートルート(高速道路)に乗る。「あれあれ、山口さんってオートルートに乗ってないよ。違う方へ行ったのかい?」オートルートに乗る直前まで山口さんは前のバイクが確認できる所にいたよ、どうして違う方へ行ってしまうのかねえ。なぜ、なぜなの??最後を走っていたランクルのドライバー高橋さんは車を止めて山口さんを探しに行ってくれた。オートルートに入っているので高橋さんも危険!!最後の日に事故でもあるといけない。とにかく次のサービスエリアまで行きましょう。

山口さんはというと・・・迷ってからしばらく考えて「ゴートゥパリ!」と繰り返して言っていると、標識の中に「PARIS」の文字を見つけ進む決心したらしい。慌てて高速に入ろうとした方は違うところに行くんだったそうなんです。

そして、最初のサービスエリアで待っている私たちは・・・どうすることもできないので、1時間待って対策を考えよう、カプチーノを飲んで待っていました。45分経ったよ!どうする!って相談はじめると・・・「山口さん居ました。それが怒ってるんですよ。」???みんなで休憩所から出て行くと「どうして、待っていてくれないの」って山口さん怒り気味!「えー待っていたよ。危険なのに、高橋さん探しに行ってくれていたよ」「そーなの」「そーよ」一人で心細かったんでしょうね。

それからしばらく走っているとランクルが警察?税関!のバイクに止められた。「7000ユーロ以上持っていることはないですか?」「もうーありません」フランスは現金及びトラベラーズ・チェック等の持ち込みについては、7600ユーロ(100万円相当)以上を持ち込む場合は、税関に申告することが義務づけられて、限度額を超える金額を申告せずに入国しようとして発覚し、フランス税関に多額の現金を没収されるケースが多いので、申告は必ず行ってください、と忠告されていたんだ。でも全然心配ないもん!ほとんど現金は残ってないし、物価高すぎで予備のお金まで使っちゃったもん。

えーまた山口さん!今度はガス欠!事件発生!!燃料残量のワーニングランプの点灯に気づいていなくてオートルート上でストップ!!ガス欠です。まじですか?何とかタンドラから燃料を取ろうとしたが・・・失敗。カオルさんのバイクから少しわけてもらったようだ。警察が来たら怒られていたよね。なんとか5km先のスタンドまで行くことはできたのでした。

続いて齋藤さんのパニアケースの蓋が突然パカーンと開いて・・・これまたオートルート上で齋藤さん急ブレーキ!道の真ん中でストップ!後ろを走っていたタンドラ!!かなりびっくりしたようで・・・大騒ぎ!最終日も、まだまだ波乱万丈状態。

午後5時過ぎに、なんだかんだ言いながらもパリに到着!やったー!無事に到着した。って喜びも束の間。「コンコルド広場にバイク1台しか居ないよ」「ほんとかね」あんなにゆっくり走っているのに見失うはずないと思うんだけど・・・たぶん最後の分岐をアンダーパスに行っちゃったんだろうって話している。そーいや私はパリのシテ島にあるノートルダム大聖堂に見惚れていたのでバイクを確認してなかったんだ。たぶん彼らも前を見ていなかったんだろうと思うね。それでね、ノートルダムとはね、フランス語で「我らが貴婦人」すなわち聖母マリアを指すんだそう。この旅ではちょっと行く時間がなかったけど、12世紀のゴシック建築の最高傑作!!素晴らしいよ。

山田は道を良く知っているので、まあ一台で寂しくコンコルド広場を何回も回っていた。待っているかもしれないからって凱旋門に向かった。しばらくして無線で「くろちゃん!みんな居たよ!でもまた逆ギレ!してるんだけど、どう思う」「ごめんなさい」

最後の最後まで、一筋縄では行きませんが・・・凱旋門でおじさんたちのバンザイ!!を見ていると込み上げてくるものがありました。全走行距離:12684km、全走行時間:275時間、1日平均13時間を走り続けたおじさんライダー、感動しました。ゴールしてみるとなんでもなかったような気がしますが、とてもたどり着けないのではと思ったことも2度や3度ではありません。それでもオンスケジュールでパリ!

10月6日にパリで別れた、ムッホとジャンガルも約10日間の走行で、モンゴルのウランバートルに到着しました。この彼らのパリからの道のりは、とても厳しかったそうです。中国の問題でカザフからしか同行できなかったけど、彼らにも感謝でいっぱいです。

かなり至らない点も多かったとは思いますが、私たちも旅行代理店というわけでもありませんのでお許しいただくほかはありません。まあその企画からしてツアーというにはあまりにもチャレンジング!!旅というには極端にハードなものでしたがいかがでしたか?そして、参加されたみなさん!またHP上でご心配頂いた皆さん!!この素晴らしい旅をご一緒できたこと、心からお礼を申し上げます。

ありがとうございました。そう遠くないいつかに、またどこかでね。