もう残すところ、あと2日となった。ホッとする半分、寂しいさも半分、複雑な気持ち。
今日からガイドがまたまた変わる。正直言って毎日変わるのは疲れる。何カ国も通過するのですべての国の言葉が話せる人は少ないと思うが、雰囲気や行動スケジュール(毎日スタートして名所があれば観光地を巡り、給油、昼食、給油、休憩、夕食)が理解できたころには変わるから・・・ちょっと大変。そして、今日からのガイドはフランス人のジャン
ミッシェルさん、12年前のパリ−北京の時に通訳としてラリーに参加していて山田や横田さん、石原さんとは面識があるらしい。偶然ってあるんだね。
出発の時間になって地下の駐車場からバイクと車を出さなければならない。その前に必ず駐車料金を払ってないとトラブルになるので・・・ジャンガルと2人で駐車場の管理室を尋ねていって、先に全車の料金を支払い手続きをしていた・・・その時!急に管理人のおばさんが怒り始めたんだ。スンゴイ剣幕なの、2人とも訳が解らない!!さすがのジャンガルもドイツ語は解らない。どうもモニターに何か写っているらしい・・・指をさして怒る怒る!!恐る恐るモニターを見ると治武さんと松前さんが駐車場のバーを押したり引いたりしている。なに?どうしたんだろう。壊したのかな?バーの前にはプリウスが待っているけど、モニターを見ただけではわからない。
地下の駐車場へ3人で向かった。その間もドイツ語で捲し立てる。怖いくらい怒っている。「どうしたのー、かなり怒ってるんだけど・・・何をしたの」「カオルさんが無理やりこのバーの横から抜けて駐車場を出たから・・・バーの付け根の部分が壊れて・・・直していただけ」「それで直ったの?」「一応!!直ったというか、嵌った。」「カオルさんは?」「1台だけで上で待っていると思う。」駐車場の管理人のおばさんはたぶん「弁償しなさいよ」と言っているんだろうけど、言葉が通じない。ガイドを呼びに行こうにも・・・許してくれない。ジャンガルが何とか交渉して残りの車とバイクを駐車場から出してもらった。ガイドを呼んできてー!!と頼んだ・・・ミッシェルさんが来る前に壊れたはずのバーが問題なく動いているので、管理人のおばさんは「なーんだ、ちゃんと動くじゃん!」って顔して何度も何度もバーの付け根を触っている。納得したのか、いつの間にか居なくなった???結局!!地下の駐車場で起こったことなんて知らないカオルさんはいつものように「遅いけん、何かあったんかと心配しとったんよ」・・・まあ何日か前には駐車場の横からバイクは出したし、今日も出してもいいだろうと思うのはよく解る・・・しかし、無理やりはいかんよ。ほんとに管理人のおばさんは怖かったんですよ。カオルさん!!
さて今日のルートは、ミュンヘンからシュツットガルトまでの約300kmがアウトバーン。そのあとはライン川沿いの田舎道を行くのだという。途中の村で素敵な今日の宿を探そうという計画。山口さんが泊まる所は交渉するんだそーな、さて、どんなところに泊まれるのか、楽しみだね。ライン川沿いの素敵な古い民宿みたいなものを想像してウキウキ。
そして、午後1時過ぎシュツットガルトの村はずれで昼食となった。大きなカバノキの元で砂場のあるレストラン。木々に囲まれ古い民家の中にあるそれは素晴らしいところ。子供たちはレストランのテラスの真ん中にある砂場でオママゴト。それも本格的なお料理ごっこ。こんなレストラン、日本にあったらみんな喜ぶだろうなあ。今日は時間に追われてないから、ここでゆっくりと時を過ごすことにした。サッカーゲームに興じ、子供たちと写真を撮り、木の実を取って食べたり、とまあ至福の時間。メニューもここのマスターお勧め、素晴らしく心のこもったお料理に感激。空気もお料理も、なんといっても心遣いにもお腹も心も満たされました。とてもおいしかった。
お腹もいっぱい!!早めに宿を探さなきゃね。今日は1990年10月3日の東西ドイツ統一記念日で祝日!!になるため有休休暇を使い連休にする人が多くどこも混雑。「ドイツの統一記念日だからどこもいっぱいだよ。フランスに入って探しましょう。」「OK!!」アルザス地方の宿かシャンパーヌ地方も良いかも・・・なんて浮かれて・・・そして、この後とんでもなく大変になるとは知らずライン川を目指したのでした。
そして午後5時ライン川に到着、早速横田さんはpH測定をはじめた。ガイドのミッシェルさんが「今日の泊まるところはこのあたりでは探すのは大変なようです。今から電話して予約しましょう。」まだこのときもどこかあるだろうと高をくくっていたの。ここの近くのホテルはダメ!離れた小さい街から大きな街まで電話をしてもダメ!ミシュランガイドから10件、20件、30件と電話してもダメ!山口さんが交渉するなんてことにもならない。あーあ!これではパリまで行くしかない・・・しかし、パリのホテルは昨夜最終的にキャンセルをしてしまっていた。キャンプ?野宿?無理無理!!今日こそやばい!!平気な顔して対応していたけど、ミッシェルさんも焦ってきて、ツアー会社に探すようにお願いしたようだ。15分待って確認の連絡するも、また後15分待って!!って・・・時間が経つばかり、移動してもどこにホテルが取れるかわからないから移動することはリスクが大きい。ずーと待ちました。
「ストラスブールにホテル取れました。」ドイツの連休組みは日本のGWのように、この一帯に家族づれで繰り出しているのでした。まあそれでもよかったー!こうやって多くの人に助けられ!このツアーは成功したのです。思いつきで決めたパリまでのプラス1泊は、危うく野宿を回避。ご協力いただいた皆さんにただただ感謝。
そしてストラスブールのホテルはすぐそこ!!ほんとうにラッキーでした。午後7時にホテルに到着。このホテルに日本人なんて居ないだろうと思っていたら・・・日本語を話す若い女の子がエレベーターに乗り合わせた。声を掛ければいいのだが・・・こんなところにも日本人がいるんだーと関心している間に降りちゃったので、声を掛けられませんでした。
明日こそ、パリです。13000kmの旅のゴールでございます。 |