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2007年9月13日 行程3日目
張掖 - 敦煌 走行距離:560km 走行時間:11時間30分

「張掖」というこれまで名も知らなかった町の朝は、とても気持ちが良かった。気温は18度、快晴。午前8時30分。敦煌へ向かう630kmをスタートした。

約230km先の嘉峪関に向けて走る。途中で休憩や給油で休むものの午前11時45分に嘉峪関に到着。まずは昼食をとった。食事のあとはテラスでコーヒーを楽しむ者、外に出て写真を撮る者。中国スタッフとなにやら愉快に談笑して過ごす者など、思い思いの昼休みをのんびりとさわやかな空気の中で過ごしていた。

そして今日のハイライト!嘉峪関長城に到着。と言ってもお昼ご飯の場所からは10分もかからなかったけどね。嘉峪関とは明代につくられた関所、だから正門は西に向いている。約6000キロにわたる万里の長城の最西端にあたる。昔はこの先は中国ではなく匈奴や夷荻の棲む恐ろしいところだった?とのこと。みんな嘉峪関長城内を恐る恐る?散策。もちろん中国の観光地は必ずと言っていいほどムービーカメラは禁止。テレビクルーは、あきらめ顔だけど、もっと自由に出来ればいいのにね。結局のところ外観を撮るにとどまっちゃう。もったいない。

いざ、敦煌へ400km。午後2時嘉峪関をあとにする。今日は明るいうちに敦煌に到着するのは間違いないね。風景も劇的に変わってきた。砂漠、棗とポプラの並木道。絵に描いたようなシルクロードの光景が始まるわ。ちょっと余裕をかまして敦煌の手前で休憩ね。あと40kmよ、敦煌まで。

綿を摘む農婦の姿などを撮影して、少しの休憩で4台のバイクがスタートしていったのだが、ゼッケン2番をつけた齋藤さんのバイクがスタートできない。どうやらエンジンがかからない様子だ。しばらくするとゼッケン4番カオルさんが引き返してきた。

「どぎゃんしたね?(大分弁)」
「なんもしてにゃいのにエンジンさーかからなくなったにゃ・・・(岩手弁)」
って具合で大分弁と岩手弁。何か重大なトラブルで無ければいいけどね。なにかコソコソいって、ゴソゴソ

どんなにしてもエンジンがかからない。というかディスプレイにEWS!という表示。
その意味がわからないの。
日本へ電話を入れてみるも・・・
「それはキーを認識してないんです」
「キーを認識?なんのこっちゃ」
陽は傾く。せっかく夕陽の時間に到着できるはずの憧れの敦煌が・・・
長い影を引いて、道端で作業をするライダーたち。

そろそろ1時間も経ったろうか。
バッテリーをはずして、車体内の電気を放電するのを待つ!というのね。ショートさせて強制的に0にしようというのを、誰かが押しとどめていた。キーの情報を「読み取れなかった。」コンピューターは「そのキーは違っています。」とエンジン始動を拒否しているのだそうです。

おじさんたちの焦りは怒りとなって、「何でこんなややこしい仕組みをするんじゃ!」とかなんかあとは文章に出来ないくらいの暴言に罵詈雑言・・・「おお、この人たちを怒らせたら怖いわ!」

そしてもう一回だけと最後の挑戦。誰もが固唾を呑んで見守った。次の瞬間に“ブルルルーン”とエンジン始動。もう大歓声が上がったなんてものではなくて。ここまで少し距離感のあった日本人と中国人スタッフの気持ちが通じ合ったような気がした。さあー行こう!!敦煌へ、あと1時間もかからない。

午後8時、敦煌山荘というホテルに到着!鳴沙山の砂丘が見える贅沢でこの上ない素晴らしいホテルだよ。

「敦煌だよ、敦煌だよ、敦煌に来たよ。夢の敦煌だよ。」と、山口さん感激する。良かったね、山口さん。

明日は休息日。人もバイクも車も休息だよ。