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2007年9月16日 行程6日目
ロプノール - ロプノール 走行距離:195km 走行時間:10時間

夢にまで見たロプノールの夜は、地球温暖化のせい?の雨が降り続いていた。トタン屋根を激しい雨が叩きつけていたのに、知るよしもなく、まさに泥のように眠っていた。朝起きて外に出てみたら、悪夢の?泥の海!じゃない。歩くのも一苦労!!靴に泥がくっついて背が高くなる!!滑りやすいしこれりゃもう大変だあ!!

午前7時に朝食、のろのろとスタート準備。だって足元が不安定で作業は進まない。まあ、コーヒーでも飲んで、ボチボチと出発で良いんじゃない?おじさんライダー達は、何故か緊張している。何度も歩いてルートを探しているようだ。この泥の海からの脱出が恐怖なのだろう!慎重にバイクを動かし始めた。
そういう意味でランクルは平気なの!いきなりスタートだー!というので慌てて車に乗り込み午前8時30分。泥の海の招待所脱出に成功。

100kmほど走るとロプノールの北側のえん堤?だと思われる箇所に到着。なんとここからはハミに向かう舗装路がある。でも目的地はトルファン、舗装路から再び砂の中に入っていくルートなんだけど、なんだか心細い。誰も走ったことのない道のようよ。

ランクルは撮影のため先行してスタンバイ!!カッコよくおじさんライダーを撮影後、少し遅れてスタート!!5kmぐらい走ったところで車やバイクの轍がないことに気づく。ミスコース?あれどこで?まあもうすこし走ってみようということで10kmぐらい走ったが、これは間違いなくミスコースだ。しかたない引き返そう!戻っていると、もーダッシュでやってくるバイク一台、カオルさんだ。

サポートの我々が迷っているので探しに来てくれたのね。サポートの車の1台は荷物の積み過ぎからリアのガラスを割っていた。その後このサポートカーはイーニンまでリアのガラスがないままの走行となった。その中には西安旅行社の社長さんなど偉い人も乗っていたが、全身真っ白になっても文句一つ言っていない!!(言葉がわからないので言っていたかもしれません。)車のチェンジもお願いしない。素晴らしいと思った。でも、代わってあげる勇気はありませんでした。ゴメンナサイ!!

「その道は違うのよ」カオルさんに声を掛けるが、道は「わかっちょる、さあ行こう。」だって。ついていくのどーしよーかな?と考えたんだけど・・・カオルさんはいままさに我々がミスコースして戻ってきた道へ、再びもーダッシュ!!しかたなく、ほんとーに仕方なくまた間違えたルートを走り始めた。さっき引き返しているときに、どこかで右に入るルートがあるはず、ゆっくり探しながら走って、ここかも!!それはもーうすいピストで、あとでわかるようにとカメラマンの松前さんは目印にペットボトルを投げた、さすがパリダカとかの経験者だと、車内では盛り上がった。

さてさて、何キロか走ったが、ミスコースしたカオルさんはなかなか引き返してこない。引き返してきたと思ったら、「このルート間違えとるー」と、またもーダッシュで行ってしまった。さらに困ったことに、カオルさんが連れて走っていった一台が帰ってこない。「またなきゃ!!」こんなときはあせらないで、慎重に行動しなきゃね。カオルさん

まあ、ランクルはミスコースして何度も行ったり来たり同じ所を走った距離は43km、時間にして40分。なんとか全車オンコースに戻って合流、一安心。

その後、おじさんライダーはカレ川をうまく走れない。バイクは転倒!を繰り返すしパンクも!人もバイクもキズだらけになっていく。亀さん何度も激しく転倒するも、大きな傷はなかったが、左のミラーを割ってしまった。齋藤さんも何度も転倒!その度にエンジンを切らないように!!全員が駆けつける。しかし、切れてしまって、再びエンジン始動に時間がかかる。ある時、15分待ってもエンジンがかからなくなった。どうしても、何とかならないかと日本に電話をしてみる。

仙波さんからはなんだか・・・「ほかのバイクのキーシリンダーをはずして取り付けて、エンジンがかかったらそのキーシリンダーをまたもとのバイクに戻して」・・・とか言っているらしいの。「でそのキーシリンダーはすぐ外れるの?」「いや、締め切りのボルトで締めこんでいるので、はずすのに1時間くらいかかるかもね」「クラー・・・」

こんな時は電気博士高橋さんの独壇場と化すのです。彼は替わった電話を切って、「そんなことしていたら日が暮れますよ。じゃあボクに20分の時間を下さい。」といった。???何を始めるのだろう。私にはわかんねーので説明してもらえなかったが、ほかのバイクのキーシリンダーをはずさなくても、キーシリンダーから配線を取り出せば同じことじゃない!?ということらしい。さすが電気の博士!!

やがて完成!カオルさんのバイクと齋藤さんのバイクを並べてキーを差し込んで、さーあー!一度目は失敗!「あれ、配線間違えたかな?」そしてもう一度!!ブルルルンーと、エンジン始動。辺りは大歓声に包まれたのですが、もう夕暮れはひたひたと足音を立てて一行の後ろに陰のように。

その後も深い砂のカレ川は苦手のようで、度々転倒はするものの!エンジン始動に心配はなかったので、少し安心していた。1時間後再び斎藤さんが転倒!!ヘッドカバー??を損傷。数日前ホテルでスペアパーツの入った箱がひとつなくなっていたので、1個しかない右のヘッドカバーがその紛失物に入っているかもと思って血の気が引いたよ。「あったーっ」無くなったのはほかのパーツかもでした。さっそく取り替える作業に。左右のヘッドカバーが共通じゃないとイカン!とおじさんたちは怒る。左右別々なんだって、んで昔のモデルは左右共用だったとか。

この間を利用して、ランクルは先のルートの確認にいった。新疆の案内人の「あと何Kmかで良い道に出る」という話が、どうもおかしいと感じていたからなの。案内人ももちろんこんな所を通った事は無く、なんとこの人たちGPSで行く方向を確認している!!「なにがガイドよ」ねえ。この先とんでもないルートならば引き返すことも考えなければならない。まだ、舗装路から40kmしかきていないからだ。そして、この40kmに8時間かかっているのだ。

ひとつのカレ川を頑張れば、うすいがピストにでる。あと6kmだ。そう報告して出発するように言うが、山田はこの先進むと必ず怪我人がでるから、ここでビバークするべきだと主張する。いま午後6時、まだまだ明るいから進むことできる。普通ならそんなことは言わずに必ず「前進すべき」だと主張するはずなのだが・・・それじゃ6km先のうすいピストまで進もう。そこで考えようと提案した。
でも、気が進まない様子だった。先行していたランクルに無線が入った。「ライダーが激しく転倒!待て!止まれ!あっ山田さんだ!」

やはりラリーのときも山田のイヤな予感は的中し、それに従ってきたのに、スイマセン!!強引でした。そのときは、他の人でなくてよかったと思った。

カレ川を横切り反対斜面に駆け上がろうとしたときに、どうもフロントタイヤがパンクしていたらしい。強く頭を打って、記憶がないようで、何度も何度も同じことを石原さんに聞いていた。石原さんは丁寧に同じ返事を繰り返していた。強く頭を打っているから、いま大丈夫でも、この後何があるかわからないから安静にしたほうが良いとアドバイスを受けたので、うすいピストがはじまる6km先でビバークにすることにした。
この日はビバークの予定ではないので、食料も充分用意されていないが、けっこうかき集めれば何だかんだと出て来るではありませんか!?みんなで車座になって食べたラーメンや缶詰、堅いパン、中国スタッフが用意してくれた哈蜜瓜も5つ星のホテルのレストランに負けないくらいに美味しかったです。

この夜は、恐るべきおじさんたちの歌声!ワイルドワンズ?テンプターズ?なんじゃそれ?!なグループサウンズの歌声に、中国人もビックリ!満天の星空は、これまで見たどこよりもやさしく輝いていました。
それよか、おじさんたち!明日は大丈夫なのだろうか?この人達は、あまり次にやってくる難関には、さしあたるまでは動じないという、恐るべき性能を持っている、おじさんオソルベシ!!