いよいよロシアをあとにする日。暗いうちから目がさめる。日本人観光客の多いレストランで早々に朝食。ロビーでは待ち合わせのガイドのユリアさんが来ているかなっ??て階段を下りてくと、カオルさんがきれいな金髪の若い女性と楽しそうに話している・・・「???」カオルさん!ちゃっかりと若い子と?うん?でもどこの言葉で話しているのよ?日本語だ。そうするとこの彼女がガイドのユリアさん?カオルさんが私を見つけて・・・この旅一番の笑顔で「この人が今日からのガイドさんじゃけん」と紹介された。「ふふーん!!」
スタート準備で地下の駐車場へ。今日はロシアを出国するので、車両に関する書類を各自に渡さなければならない。そこでカオルさんから預かったままの書類を渡そうとしたが・・・なんとなく一枚の書類がない!!車の登録書類だ。車の中を探しても、カオルさんのバイクのパニアの中にも、その書類が見当たらない。それにしても!カオルさんのパニアケースの中はぐちゃぐちゃ!!もう少し整理せなあかんよー。カオルさん!!とお叱りをうけていました。それはそうとやはり書類は無いまま、午前8時20分とにかくスタート!!書類のことは国境について考えようと思ってね。
午前11時15分ロシアの国境に無事に到着。あーややこしい手続きが待っているかと思うと気が滅入るのよね。カオルさんの書類が無ければソートーに難しいことが起きるのは容易に想像がつく。想像・・・再発行手続きを→今日は出国できない→ビザが切れる→さらにビザ延長手続き→みんな疲れる→あとのスケジュールはぐちゃぐちゃ。わかっているの(怒)!!でもまだ神様は見捨てていなかった。到着して順番を待っている間に、カオルさんの書類が出てきた。それは齋藤さんの書類の中に挟まっていたのでした!!どうしてかはわからないんだけど、とにかくひと安心。さらに、出国手続きもスムース!!ムッホとジャンガルはパスポートを持ってどっかに連れて行かれてしまった。待つこと数十分。やっと帰ってきたよ。そんなこんなでなんとかロシアを出国できた。ところがところが、このあと大問題が起きる!!
国境についてから2時間後エストニアの入国手続きに並んだのね。でーその前に国境の免税店でカオルさんはウオッカ「フィンランディア」をマグナムボトルで買っていました。痛風で足が痛いっていっているのに大丈夫なのかしら。まあそれはいいとして。日本人はこれまたスムースに手続きが進む。ここでも、ムッホとジャンガルは別室へ・・・行ってしまった。このころから、これは何か問題があるな。二人については、山のような書類を送ってモンゴルのフランス大使館でビザを発行してもらっているのよ。そのビザはEUに加盟している国ならば有効と聞いていた。通過する国も提出しているので問題ないと確信していたのに、どうも雲行きが怪しい!!
なかなかムッホとジャンガルが帰って来る気配が無いよ。とっくに手続きが終わったおじさんライダーとランクルのメンバーは、ゲートの向こうへ行くように言われ、エストニアへ入って待つことになった。また、ここから空気も景色も雰囲気も変わった。ついに後半の目的地のひとつバルト三国へのエストニアへ到着したよお!!これで4カ国目!えーまだ4カ国目なんだね。すごく長く旅をしているのでもっとたくさんの国を越えてきたような錯覚を覚えていたんだわ。
午後15時決定的な結論がでたー!!用意していたビザでは入国できないことが確定!!まあどうにかするだろうと思っていた私は、慌てた。ロシアも出国してしまってビザは無効。ここは国境のニュートラルゾーンに残されたまま?えーどうする。どーする?とにかくロシアへ戻るしかないようだ。すでにエストニアに入国している私は彼らに話することもお金を渡すこともができない。ちょっと入ろうとすると怒られる。お金を渡さなければ彼らはどこへも行くことができない。石原さんにあるだけのお金を渡してもらった。石原さんたちは徒歩で入国。ムッホたちはタンドラにみんなの荷物ごと入国できない!!
なんとかゲート越しにムッホたちと話が出来た。国境ってこわいねえ。よく理解できないけど、モンゴル人は入国できないんだって。彼らはロシアへ再入国してベラルーシに入って2日後のポーランドのワルシャワへ向かうと言う。そのコースが最短でワルシャワで合流できる。スペアパーツも2日後。マラソンエタップになってしまったよ。べラルーシは日本人はビザが要るけどモンゴル人は要らないんだってね。改めて考えさせられた。国力や外交というものを・・・日本に生まれて育った私たちは恵まれている。当たり前のように外国へ行き来をしてきた。いやそれも近年のことだよとおじさんたちは笑う。ユリアは必死の抗議をしたらしい「差別だ!人権侵害だ」とわめきちらして?たと聞いて「この子はなかなかやるかも!」ちょっと金髪の女の子がたくましく見えたね。
再び12名の旅となった。まずエストニアの首都タリンへ向かった。午後6時ごろ遅くなってしまった昼食はガソリンスタンドの隣でバーガーにポテト、コカコーラとファーストフードで簡単に済ます。夕陽と戦いながらエストニアからラトビアへ。午後10時ラトビアの首都、バルト海の真珠と歌われるリガに到着。(ここでさらにロシア時間から−1時間、日本時間と−6時間)全員の疲れがピーク。些細な言葉の行き違いなどが多くなってきた。このままでは何か起こりそうな予感。
今日の夕食はルームサービスを取ることに。部屋で思い思いに食事をするのが良いかもね。で、その料理が美味しかったことと窓から見える美しい夜景は、そこが世界遺産の町だと主張しているのでした。カオルさんはマグナムボトルのウオッカを持ってやってきた。少し飲んで正体不明寸前のカオルさんは部屋番号をつぶやきながら帰っていきました・・・こうして度々自分の部屋に戻れない事件があったので、心配!そこでちょっとフォロー。「おおー!ちゃんと」自分の部屋に入って行きました。
リガの旧市街のカテドラルの尖塔が美しいシルエットで対岸に見えます。明日の朝は旧市街の探訪、そしてムッホたちと合流する予定のワルシャワへ。 |