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「波乗りと人生のサイクル」

”人生は波乗りによく似ている”と誰かが言っていた・・・。

幸運の波が岸に向かって押し寄せてきた時にテイクオフすれば、流れに乗って楽にサーフィンができる。つまり楽に幸せになれるということである。しかし波に乗り遅れてしまった人は、それを挽回しようとして波が来ていないのにジタバタしている・・・と。

僕も凪いだ海でサーフィンしようとして必死でもがいていた。だけど波が来なければ、サーフィンはできない。サーフボードは前に進まないし、同じポイントにいつまでも留まることによって鮫に襲われるリスクも高くなる。

しかしもっと最悪なケースがある。それは、せっかく幸運の波が来ているのにも関わらず、「この波は自分の乗る波じゃない」といって見逃してしまうことである。考え過ぎたり、先入観が強すぎるとこの罠に嵌りやすい。

一度幸運の波に乗り遅れたら、また次に来る波を待つしかない。例えば結婚。結婚すべきときには、不思議なことに条件がすべてそろっているものである。しかし、高望みをして乗るべき波を乗り過ごしてしまうと、すべてがうまくいかなくなる。

結婚や恋愛だけでなく、仕事においても趣味においても”波がやって来るサイクル”があり、”流れ”がある。流れが来ていないときには、何をやってもうまくいかない。攻めても攻めても、むしろ逆風が強くなる。

「そういうときは、嵐が過ぎ去るのをジッと待て」と、運命を語る過去の賢人たちは口をそろえて言っている。”時を待つ”ことは大切だが、僕の場合は逆境だからこそ、なおさら反骨精神がうずいた。結局攻めに出て痛い目にあった(笑)。

思い切って仕事を辞めたものの、転職活動は思うように進まなかった。散々だった。冒険に打って出たものの、仕事がないという状態は本当に辛い。精神的なダメージが大きい。自信を失うだけでなく、自らの存在意義まで疑い始める。

人生のサイクルに抵抗を試みたものの、最後には、”流れ”に身をゆだねるしかなかった。”波”が来るのをジッと待った。波が来たらすぐ乗れるように、パドリングで沖まで出て海の中で待つことにした。

その間は、肉体労働でなんとか食いつないだ。このままずっとアルバイト生活が続きジリ貧になっていく恐怖感もあったが、とにかく光が射すのを待った・・・。

流れに身をゆだねしばらくすると、”波”は確実にやって来た。古い友人から唐突に電話があったのである。大学時代のゼミの仲間だった。しかし当時、僕らはそれほど親交があったわけでもなく、卒業後は音信不通だった。

3年ほど前、同じゼミの仲間の結婚式で再会し、電話番号を交換した。それ以来の連絡である。東京在住の彼は仕事で名古屋に来るという。会ってお茶でもしないか、というお誘いだった。僕は二つ返事でO.K.した。

僕らはスターバックスでキャラメル・マキアートをすすりながら、お互いの近況を語り合った。僕が近況を話し終えると、しばらくの沈黙の後で彼はおもむろにこう切り出した。

「実はね、僕の知り合いの社長さんで人を探してる人がいるんだけど・・・」

僕の人生が、再び回りだした瞬間だった!


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