お問合せ/住所

 



「冒険、そして古代遺跡」

人生の100のリストを眺めていると、世界中の古代遺跡や世界遺産を訪問したいという項目が圧倒的に多い。これにはちゃんとした理由がある。それは僕の幼少期における原体験に答えを求めることができる。

子供の頃からなぜか遺跡に強い興味があった。とにかくテレビにピラミッドやモアイ、ストーンヘンジなどが映し出されていると、僕は食い入るようにその画面に夢中になった。小学生向けの『~の謎』とか『~の秘密』と題された本は、片っ端から読んだ。

幼少期に観た映画や読んだ本が、その後の人生を決定づけることはよくあることだと思う。僕の場合それは、映画『インディ・ジョーンズ』シリーズだったり、藤子不二雄の漫画『タイムパトロールぼん』だったり、ハワード・カーターの『ツタンカーメンの秘密』だったりする。

インディ・ジョーンズに関しては、mixiのハンドルネームを”INDY”にするくらい、僕にとってはバイブルなのである。大学の非常勤講師をやって夏休みや春休みにラリーや一人旅に出かけていたのも、この映画の影響が皆無だったとはいえない。

小学生のときにはじめて観た『レイダース失われた聖櫃』。そのインパクトは強烈だった。映画が始まってからの数分間、南米のジャングルを舞台に、遺跡に仕掛けられたブービートラップをかいくぐり、黄金像を手に入れる興奮と緊張感。そこにすべての答えがあった。血湧き肉踊った・・・。

もちろん、僕は考古学者でも盗賊でもないので、実際に遺跡を掘り返して秘宝を発見することなんてできないが、基本的なスタンスとしてラリーに参戦することも精神的なトレジャー・ハンティングであることに変わりはない。そういう意味で、インディは僕のロールモデルである。

藤子不二雄の『タイムパトロールぼん』。これも小学生のときに影響を受けた作品である。何度も何度も読み漁った。内容は、ひょんなことからタイムパトロール隊員になってしまった平凡な高校生が、歴史の歪曲を修正するために過去のあらゆる時代に飛んで活躍するという内容の漫画である。

現在、文庫本として再販されているので、数年前に購入し改めて読み直してみたが、正直言って驚いた。それは、僕がこの漫画からいかに強い影響を受けたのか、それを再認識させられたからである。僕の遺跡に対する原体験の一つは、明らかにこの漫画である。

この漫画に登場する遺跡や歴史エピソードは多岐に渡るが、僕がギリシャを旅した際にデルフィに行くのを諦めてクレタ島のクノッソス宮殿(魔獣ミノタウロスを閉じ込めた迷宮として有名)を選んだのも、メキシコのチチェン・イツァーでセノーテ(陥没型の天然の井戸、泉)を訪れたのも、エジプトでサッカラの階段ピラミッドを見学したのも、すべてはこの漫画のせいだった。すっかり忘れてしまっていたが、それらはこの漫画に舞台として登場していたのである!

幼少期の影響とは、かくも強力なものなのだろうか・・・。最後にもう一冊。ハワード・カーターの『ツタンカーメンの秘密』・・・秘宝だったかも(笑)。ちなみにこれは、ハワード・カーターが発掘の詳細な記録を自身でまとめた『ツタンカーメン発掘記』の方ではなく、第三者が執筆したものだった気がする・・・。

ともかく、小学校低学年の頃の話なので記憶が曖昧なのだが、小学校の図書館で漢字がよくわからないまま、むさぼるように読んでいた覚えがある。内容は忘れてしまったが、その本に掲載されていたツタンカーメンのマスクやその人型棺、その前でたたずむハワード・カーターの白黒写真は今でも鮮明に思い出すことができる。

それから約20年後、僕はツタンカーメンの黄金マスクと対峙していた・・・。


▲ TOP ▲

MENU
No011 No012 No013 No014 No015 No016 No017 No018 No019  
No001 No002 No003 No004 No005 No006 No007 No008 No009 No010