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『TDN day1 SS2~ゴール』

SS2のフィニッシュ手前2kmで、崖落ちしていたO氏を助けてくれた方々に、頭を地面にこすりつける気持ちで、お礼をした後、またすぐに出発します。

何と言っても、夜になってしまった時点で、まだ半分も走っていないのですから、急がなくてはいけません。SS2の後は、高速道路での移動とはいえ、あと500kmはあるでしょう…。頑張れば、何とか日づけが変わる前にビバークにたどり着けるとは、思いますが…。

急いで、山を下ります。
突然、目の前を走っていたO氏が、山道沿いにポツンとある自動販売機の前で停車しました。

いやいや…ジュースなんて飲んでいる場合じゃないし…喉乾いてないし…どうしたのかと思ったら、

O氏 『パンクした…』

マジですか…汗

SS2の途中で、タイヤが石にヒットしたことを思い出したようです。
『どうりで、いきなりフロントがとられたと思ったら…崖落ちは、タイヤがパンクしてたからか~…』
いえ…あの…今、分析をするよりも、まず、パンクを直す方が先ではないですか…?

自分のトラブル時には、涙目でO氏を見つめ
『お願い!助けて!』
と言う気満々でしたが (←ラリーをする上で風上にもおけませんねぇ)
パンクとはいえO氏がトラブルを起こすケースは想定していませんでした。こういう時に、自分がどういう行動をとればいいのか考えていません。

選択-1 あくまでも競技なのですから!と割り切り、神様(O氏)を踏み台にして先に行く。でも、自分のトラブル時には、めっちゃ神頼み。
選択-2 自分の走行スピードは遅い。しかしO氏は650ccのマシンなので、高速道路ですぐに巻き返してくれるでしょう…と判断。先に行く。
選択-3 仕方なくパンク修理が終わるまで、待っている。

私的には、
『先に行ってて!すぐに追いつくから!』っと言われる事を期待して(選択-2を希望)、
『私、遅いけど、待ってようか?それとも先に行った方がいい(←ココ強調)?』と聞いてみたところ、
『待っててくれるの?ありがとう♪』(選択-3)と言われてしまった…。

うぅうぅうぅ…(違うんだよぅ…)
渋々、ヘルメットを脱ぎます。
やっぱり、真っ暗な山道は不安だもんね…ご一緒しましょう…
私は、大したお手伝いができないので、工具を手渡す係と、応援係と、見ている係です。

まぁ、私がパンク修理したら3時間コースですが、O氏なのですぐに終わるでしょう。

しかし・・・・・・・暗いし、最後尾だし、時間もないこの状況で、チューブの交換ではなく、どうしてパッチを貼ろうとしているのですか?チューブ、持ってるよね?

『今、手持ちのチューブは一個しかないけど、パッチはいっぱいあるから』らしいです。どれだけ、パンクするつもり?

O氏が、チューブを研磨し始めたので、私は何もする事がなくなってしまいました。眠気予防のために、明かりなしで暗い夜道をどこまで歩けるか…なんて孤独なチャレンジに挑んでみたりします。さすが山道…ほんの30mも行くと、真っ暗で怖くて前に進めません。…てか、逆にこんなところに自動販売機があること自体が不思議です。誰が買いに来るんだろう?…これ以上は、考えない方がよさそうなので、考えない事にします…

そんなチャレンジにも、飽きてきた頃、ようやくパンク修理が終り、やっと出発。1時間くらいのロスタイムです。急がねば…。

高速道路に入っても、もうすでに、エントラントの姿はありません。
12時間以上走り続け、じわじわと疲労が蓄積されていくのが分かります。九州を脱出した後400kmは、抵抗できないほどの眠気と闘わなければなりません。さらにICOの数字が、メトロノームのように、睡魔を誘います。時々、走ってるのか?止まっているのか?わからない感覚に襲われます。危ない…危ない…。

高速道路は岡山県の新見ICでやっとこさ降り、さらに霧に包まれた山道を行くと、
ビバークに辿りつきました。やっと1日目のゴールです。
すでに、日づけは変わり、すでに午前2時を過ぎていました。
これを、あと何日も続けるのなんて…無理…(涙)

心配そうなスタッフさんに出迎えられ、暖かい食事を出していただきました。ちょっと泣きそう…。すでに、朝食の準備が始まっており、夕食は片付けられてしまっていたので、取っておいてくれたそうです。ビバークにはDAY2の雰囲気が漂い始めています。今から、テントを張るのであれば、そこら辺に転がって寝た方がマシ…と思いましたが、ありがたいことにコテージ泊。嬉しい。

やっと、眠れる~…と思ったのもつかの間…
O氏が、チューブ交換を始めました…なんでやねんっ!!!!!(怒)

『ダッフルバックに予備チューブがいっぱいある。パッチでの補修は不安なので、チューブに交換する』って…
確かに、危機管理は大事だけど、なんか、おかしくない?でも、疲労で頭がうまく働かないので、ブツブツ言いながら、それを見守る私…
先に体を休めればよかった…とも、思うけど、
たまたま、自分のパンクじゃなかっただけであって、もしかしたら、明日は自分がパンクして、手伝ってもらわないといけなくなったとしたら…、バチが当りそうな感じがして、先に寝る事ができません。

やっぱり、自分でバイクの管理ができないと、こういうとこでも、ジワジワと自分の首を絞めてしまう事になるのですね…

やっと、コテージの布団の中にもぐりこみました。あと40分したら、ブリーフィングの時間です。まじで起きれる自信ない・・・

走行距離  815.90km
走行区間  長崎ハウステンボス~佐賀県~福岡県~山口県~広島県~岡山県・神郷温泉高瀬湖畔キャンプ場 
4/30 Day1 結果 SS-1 34位/42人中 
         SS-2 33位/41人中 


 

 

 


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