「新しいサポートカミオン」
次のダカール用に新しいサポートカミオンの製作をしております。
今までのは6X6と言って6輪駆動車でしたが、今回、新造しているのは6X4と言って6輪の後ろ4輪だけが駆動する車両で、ベースは日野さんが中東向けに輸出している左ハンドル車です。荷台はラリーのサポートを前提にすべてが新規に設計し製作しているので大変です。
写真1で分かるように荷台の前には競技車両のスペアーバンバーが固定されて、屋根に上がるハシゴはワンタッチで棒上になり、施錠もされるので簡単に誰もが屋根に上れない工夫がされてます。タイヤも競技車と共用出来るようにホイールも特別に作ってもらいました。
写真2は夜の作業灯の点灯テスト中で100Vの強力なLEDが両側に4ケづつ付きます。
写真3は両側に付けられた階段ですが、これもワンタッチで荷台下に潜り込みます。今までアルミ製のハシゴでしたが、物を持って乗り降りするのでステップがあるこの方が安全ですね。
写真4は天井に取り付けられたウインチで使うときにはレールで車外に出てきて、物を吊り上げて、室内に運び入れる構造になっており、300KGまで吊り上げ可能です。そばには24V用と100V用のLEDの室内灯が見えます。
写真5は積み込まれた競技車のスペアーのトランスファーとミッションと連絡用のバイクです。
今までのサポートカミオンはアフリカの砂漠地帯も走るのでロールバーや競技用シートや4点式シートベルトなどが必要でしたが南米に移ってからは一般道を走るのでそれらのものは付けなくても良くなりました。
今、製作しているのは焼津にある坪井特殊車体と言って、災害救助用のトラックなど本当に特殊な車ばかり作っている会社で、競技用のレンジャーのボディも毎年お願いしております。
こちらの会社とは45年も前からのお付き合いがあり、私がミニクーパーでレースをしていた時に4トンのアルミバンを改造してもらい発電機やエンジンを降ろすときのクレーンなど付けたレース車を運ぶ専用のトラックを作ってもらいました。当時はワークスでさえ幌付のトラックでサーキットに競技車を運んでいたので日本初の競技車専用の運送トラックを作ってもらって、今もお世話になっております。
この会社の会長は「技術的に困ったら植物を良く観察するとヒントがある」と言ってます。
何万年も生きてきた植物の枝の生え方にもヒントがあるようです(強風が吹いてもしなやかに逃がす)。また、今の若い人は、会社を訪ねて来るときに、交差点を曲がる度にに携帯で電話がかかってくると嘆いてました。
我々も気を付けましょうね。
菅原 義正
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